6月6日

 雨が降ってきました。「♪6月6日に雨ザーザー降ってきて〜」って絵描き歌、思い出します。梅雨です。紫陽花が綺麗。

 

 私は雨が好き。休日のそれは特に。雨音を聞きながら、今日は日曜日だから二度寝できる…ってうとうとするのは本当に贅沢。我が家は昔、畳の部屋でみんなで川の字で寝てたのですが、母が「今日は雨だし朝もうちょっとダラダラして、ブランチにしようか〜」って。幼ながらに、ブランチってカタカナなんかめっちゃおしゃれで大人っぽくて楽しそうだぞ!ってもう目をキラキラして妹と喜んだのを覚えています。今覚えば母は上手にサボってただけみたい。ブランチした後は「雨だしもう映画でも借りてきて見ちゃうか〜」って。これまた妹と張り切ってポップコーンつくって、カーテン閉めて、ほんとは借りてきたトムとジェリーを見たいけど、父や母と一緒にその雰囲気楽しみたいからってよく読めない字幕とかおってるうちに、結局寝ちゃうっていうのがいつものお決まりでした。

 だから今でも私は雨が降ると時間がゆったりになるし、やるべきこととかなにもせずに1日映画を見ても許される大きな言い訳を得た感じがして、堂々とパジャマで過ごしちゃいます。

 

 傘さすのも好き。傘をさすと、晴れの日には見えなかった、自分のテリトリーがつくれます。人との距離が隔たれる。自分だけの場所。激しい雨であればあるほど外界と遮断されて、世界にあるのはただ自分と傘に当たる雨音だけに。ザーーーーー。静かに考え事をするのに向いています。なんかいつもより自分がクリアに見えるようになる。自分の認めたくない嫌なところも、スンと受け入れられるようになる…気がする。

 

 傘といえば、私は昔からよく母に「そうやって引きずらないの!」って怒られてました。私の傘の先はいつも斜めに削れていて不恰好。新しく買ってもらって傷つけないように頑張るのは数回だけで、やっぱりどうしても引きずって登下校。小学生の私は、傘を引きずらずに歩くのなんて絶対絶対無理!と思ってたのに、なんかいつのまにか出来るようになってるし、なんなら今は引きずりたくない。いつのまにか、窓ガラスにおでこをつけなくなるし、車のガラスに落書きしなくなるし、傘を引きずることもなくなる。大人になることは、全てに対して距離を覚えるってことなのかも。外界との距離に安心するようになっちゃうことなのかも。なんか悲しいかな。今度雨降ったら、傘なんかささずに歩いてみようかな。